デザイン事務所の合併

No.7 2019年03月18日 01時32分03秒



本日も、三重県志摩市へ。

志摩市の酒屋さんの素敵な夢に乗っからせていただけることになって、ワクワクしてる今日この頃です。
色々とお話を聞いていると、次々と閉めていく酒蔵の現状や、後継者が見つからずに疲弊していく農産事業者の実情を教えていただき、さすがに僕も、三重県の食文化に対する強い「危機感」を感じずにおれません。

この酒屋さんは、もう何年も前から打開策を模索し、活動を続けてこられました。
そこで感じるのは、「チームの力」です。
ひとりではなく、チームで戦う。
「子ども達に残してあげたいモノ」を守り、育て、つなげる。
狭い商圏で、客を奪い合うのではなく、ひとり勝ちよりも、全体的な底上げこそが重要なんだと僕も思います。
そのための、今回の新しいプロジェクト。
ワクワクしないわけがありません。

さて、いつものことながら、これをデザイン業界に転換して考えてみるわけです。
特に地方のデザイン業界も、割と「個」の単位で活動をしているところが多いわけで、言ってみれば、狭い商圏で客を奪い合っているのは、この業界も同じなわけです。
作家性の強いデザイナーさんは、チームよりも個が合います。
それを否定するつもりはさらさらありません。
でも、これまで三重県では実現されてこなかったことを実現していくためには、「チームの力」を考える必要性があるのかも知れません。
方法はいくつかあると思いますが、プロジェクト単位でデザイン事務所同士が連携することはすでによくあることです。
もっと根本的な策として、もしかしたら、「デザイン事務所の合併」も有効な手なのかも知れません。

小さい事務所同士が、それも、それぞれの長所を活かし、それぞれの短所を補える合併は、案外ありなのではないかと感じます。
うちで言えば、グラフィックデザインを専門にしている事務所と、ウェブデザインを専門にしている事務所とは相性が良さそうです。
そこに、うちのような、デザインコンサル的な仕事が中心となる事務所が加われば、実現できることは増えそうな気がします。
ロスや非効率を解消できるかも知れないし、共に学び、成長していくにもメリットが多いでしょう。
さらにそこに、建築関係や印刷関係、営業関係や経理関係の個人的な事務所も加われば、さらに面白いことができそう。
全然関係のない業種、例えば飲食とか服飾とかの事務所も加わる、とかもすごく面白そうです。

もちろん、簡単な話ではないし、デメリットもあるはずです。
これまであまり実現されてこなかったのには、ちゃんと理由があるはずです。
でも、世界最大のデザイン・コンサルティング・ファームである、あのIDEOだって、もともとは3つの小さなデザイン事務所が合併してできた会社です。
それからのIDEOが世界に与えたインパクトや良い影響は、デザイナーなら疑う余地がないでしょう。
世界規模とは言いません。三重県というサイズ感だとしても、十分なメリットをもたらすことが出来るのではないか、と思うんです。

まあ、夢物語だと笑う人もいるでしょうけど、ちょっと本気で模索してみようかな、と思います。
でも、まるで人徳のない僕やうちの事務所と合併してくれる事務所がこの世に存在するかどうか、そこが一番の問題ではありますけどね(笑)。

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