デザイナーの役割とは?

No.14 2019年04月6日 00時54分17秒



本日の打ち合わせの席で、デザイナーの仕事の内容や役割の範囲などについて質問を受けました。
確かに、デザイナーでない方には、なんてわかりにくい世界だろうと思います。
僕の場合、肩書きを聞かれた時は、グラフィック・デザイナーと答えていますが、デザイナーの仕事は、「北風と太陽」で言えば、太陽のやり方で色んな問題を解決することが求められます。
つまり、自分からそうしたくなるように仕掛ける、という感じ。

まあ、そういうことを言うから余計にわかりにくいのかも知れませんが、役割についても、どこからどこまで、と明確に分けることが出来ません。
でも、それでは質問への回答にならないので、大まかな役割をご説明させていただいたので、ここでもシェアしておきます。
ただし、これはあくまでも「おおまか」な役割であり、この限りではないことだけはご理解ください。

例えば、あいうえお商事という会社があったとして、30周年を記念して発売したある商品が思うように売れてない、という問題が発覚(または発生、認識、発見など)したとします。
担当者や幹部達が集まり、現状の把握と原因の究明に取りかかり、対応策を話し合い、解決するための企画を立ち上げます。
さらに会議を重ね、最終的な方向性を決定します。
例えばこの場合、営業チームが配るパンフレットを作り直そう、となったとします。
そこで、デザイナーに、パンフレットの制作を依頼します。
デザイナーはこれを受注し、では、どんなパンフレットにするべきかを検討し、制作します。
この際に、パンフレットの内容だけを考え、実際の制作は他の人に依頼することもあります。

さて、この場合、社内の人達と一緒に対応策を考えるのが、「クリエイティブ・ディレクター」や「デザイナー」達です。
ここでは、「パンフレット」が解決の「策」ということになりました。
どんなパンフレットがいいかを考えるのは、「デザイナー」や「スタイリスト」と呼ばれる人達です。
そして、実際の制作のみを担当する人を、「オペレーター」と呼んだりします。

つまり、「策」を一緒に考えるかどうかで、役割が変わってきます。
少なくとも僕の事務所では、「策」を考えない案件、つまり、制作だけを行う場合は、「スタイリング仕事」と呼んでいて、「策」を考えて初めて、デザイン仕事と呼びます。
ちなみに、「オペレーター」の仕事は、「デザイナー」や「スタイリスト」が考えた制作案の指示に従って、実際の制作作業のみを担当します。

三重県では、スタイリングやオペレーター仕事しかしていなくても、デザイナーと呼ばれるし、自らもデザイナーと呼んでいる人が多いですが、ちょっとそこには違和感を感じます。
パンフレットの内容を考えるのは、決して、「策」を考えたことにはならず、パンフレットという「策」を考えたのはあくまでも社内の人やディレクターなどです。
ましてや、言われたとおりに、はい作りました、では、デザイナーとは呼べないんじゃないかなあと。

ただし、クリエイティブ・ディレクターやデザイナーが、自分で全ての作業を担当する場合もたくさんありますから、明確にどこからどこまでとは言えません。
もちろん、大手の事務所なら明確に役割分担されているのでしょうが、小さい事務所やフリーランスの場合は全部をこなすことなんてザラにあります。
ようは、デザイナーがいい、スタイリストやオペレーターがだめ、ということではなく、自分の役割をちゃんと認識して仕事をすべきだし、そこを曖昧にしてるデザイナーが多いから、デザインへの誤解がなくならないのだと思うんです。

まあ、依頼する側からすれば、いいものが出来れば、役割なんてどうでもいいのかも知れませんが、デザインする側の者は、その案件における自分の役割を正しく認識しないと、太陽のつもりが北風になっていた、なんて笑えない状況を生み出しかねません。

ということで、どうでもいい投稿で、ごめんなさい。
どうか皆様も、良い週末を!

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